ヴィジョンクエスト in 屋久島

弟家族が屋久島に住み始めてから2度目の屋久島行きになった。
愛虹香も結構しゃべれる様になったようで
久しぶりに家族と会うのはすごく楽しみだ。

弟はもともとプロキックボクサーでその後3年半の世界放浪では
いろいろな民族と寝起きを共にし泥水をすすりながら写真を撮り
キリマンジャロやケニヤ山などを登るようなタフな奴なので
今までの並外れた経験の集大成として
今、屋久島という大きなフィールドを与えられ
水を得た魚のように駆け回っている。

ガイアシンフォニー3番の星野道夫さんの章に出てくる
クリンキッド族のシャーマン、ボブサムさんが屋久島に訪れた際にも
森に同行するようなスピリチュアルな世界にも精通し
高い志を持ち、人としても尊敬できる奴です。

今回、妻の美奈子は滝浴びをして少し首を痛めてしまったので
弟と2人で森に入ることになった。

僕は15年前に縄文杉と対面して木に携わる仕事しようと決意したが
弟はある屋久杉に呼ばれて屋久島に招かれた。

森のガイドのケンタ君、ナオちゃんがその杉の前で瞑想していた時
「ダイを呼んでほしい」とメッセージが降りてきて
弟家族は屋久島に移住したのだ。

弟が呼ばれたということは僕も呼ばれたのも同じと解釈をし
今回僕もこの杉にぜひ会いたい!と思っていた。

3日分8食分の食料、炊事道具、テント、寝袋、着
替えをリュックに詰め込み
足袋に履き替えいざ出発ーっ。

まずはアイヌ式の挨拶をして謙虚な気持ちで森に入らせていただく。

今回のテーマはヴィジョンクエスト

visionquestとはネイティブアメリカンの伝統的な儀式で
自然のなかで感覚を研ぎ澄ませることで、自分を内観し
人生の『ヴィジョンを探究』するということらしい。

僕らはいずれ一緒に何かをしたいと思っているので
兄弟としてのヴィジョンも共有したかった。

弟が選んだのは人がほとんど行かないルート。
実際誰一人と会わない原始の森、長くガイドをしているケンタ君
ナオちゃんも行ったことが無いという。

この森の旅が終わった後にどんな気づきがあるだろう?
もう魂が喜んでる。

いやー懐かしいこの感じ屋久島に来たことを実感する。

 

どれもこれも生命感に溢れるすごい木ばかりで
写真を撮りたくなる、しかしこれはビジョンクエスト
出来るだけ感じる事に集中する。

まずは森に馴染むこと、頭を空っぽにして屋久島の中心と繋がる
ことを心掛ける。
そして心の中に出てくる事柄を客観的に見ていく。

数日前、弟は沖縄のユタの女性を森に案内し、その時頂いた言葉
を教えてくれた。

それは「木自身は崇めてほしいわけではなく、同等に見て欲し
い」ということだった。
それを聞き視点が変わり、同じ地球上の生き物として出会って
いった。

見るもの見るものに圧倒されて見入ってしまい全然前に進まなーい。

歩くこと3時間、ずっと逢いたかったあの杉の近くまできた。
心臓がバクバクしている。
僕は出来るだけ上を見ない様に近づき
大きな深呼吸をして上を見上げた。

うわーっ!

魂が震えている。
「会いたかったよー」
久しぶりに会った家族の様にハグをした。

子供の頃、お風呂上がりにパジャマを着て
じいちゃんの寝ている布団の上に寝るのが好きだった。
そんな懐かしさが込み上げてきた。

呼んでくれてありがとうと温かい気持ちでいっぱいだった。

僕らはそこで思い思いの時間をすごした。

僕は木と対面する時
何も考えず、ただただ観続ける。
すべての思考を流し頭を空っぽにしてずっと観続けていると
木と同調した感じになり木が呼吸をしているのが感じられる様です。
そして木に触れられるのであれば手のひらで触れ
胸を合わせ、オデコを合わせてありがとうを伝え
背中をあわせて木と呼吸を合わせる。

そして今回学んだのは

「木を拝んで何かを頂こうとするのではなく木に対して何かを与
える」ことだった。

この木が何千年生きているかは解らないないが
ただただ「生きていてくれてありがとう、招いてくれてありがと
う」と心の中で何度も伝えた。

そこから僕らは更に人の居ないルートに入っていく。
あまり人が通らないので道は整備されておらず
行くべき道に木が倒れていて何度も立ち止まりようやくルートを
見つける。
人が入っていない森はこわいぐらいに神聖で意識は一段上の次元
に誘われる。

体も森の水で満たし、濃い空気もたくさん吸って
少しずつ森に馴染んでくる。

ほとんどが登りの道、僕らは感じることを大切に歩きつ
づけた。
しばらく行くと「世界遺産区域」という標識があり
更に森が深くなってくる。
恐竜が出てきそうだ。

「なんじゃこりゃーなんでこうなったの?」
という木ばかりでそれを解明しようとすると
全然前に進めなーい。

弟と僕は背格好もほとんど一緒で歩くスピードも
感じる所も大事にしていることも目指す方向も一緒なので
森を歩いていて楽しいし発展的な話ができて嬉しい。

大きな相違点でいえば
弟は男性性の強い男
僕は女性性の強い男

お互いの良い所を学び、足りない所を補いあい
ダメな所を指摘しあえる仲なので成長しあえる。

そして兄弟なので何があろうと「どうにかなるさ」と思えて気が
楽だ。

森を歩いているとたくさんのメッセージが降りてきて
自分と向かい合わされる。
そのひとつひとつをすくい上げ、無意識に出来上がった自分の思
考の癖や
解決しきれていない心の闇に向かいあいながら歩いていく。

そして僕らは五感を通したいろいろなワークをした。

時に目をつぶり川の音に意識を集中する
木にもたれ木の呼吸を感じる。
滝を浴び、川で瞑想をする。
巡礼者のように寡黙に急な斜面を登り続ける。
一期一会で歩きながら木と繋がっていく。

どれも日常では味わえないことばかりだった。

そして今回一番印象深い体験は

森の中でたくさんの猿の声が聴こえたので近寄り、
小高い丘を覗き見ると
30~40頭程の鹿と猿の群れの目が一斉に僕らに向けられ
警戒しながら僕らを見ている。
木に登っていた猿も降りてきた。

猿と鹿は共存している。

僕らは「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と語りかけていると
次第に猿も鹿も緊張が解け視線をこちらに向けなくなった。
いつもと同じ様に毛づくろいをしたり木の実を食べたり
交尾をしている猿もいる。

僕らはしばらく観察してから更にその群れの中心に入っていった。
鹿や猿と一緒にしゃがみ込み木の実を拾っていると
頭上の木からパラパラと赤い実が落ちてくる。
見上げると猿が木を揺すり実を落としてくれている。
僕らが少し移動すると猿も移動して木の実を落としてくれていた。

「僕らの為に落としてくれている。共存させてもらっている。」

言葉には出来ないが人生観を変える大きな経験だった。

陽は沈みテントを張り食事を作り火を囲み
空を見上げると満天の星空。

いつの時代にもどこの国のネイティブの人たちも
こうやって自然と繋がり宇宙に思いを巡らしていたんだろうな。
いや、ひとつになっていたのかもしれない。
そんなことを考えていると

「自分は何をする為にこの世にやってきたのだろう?」
「自分にしかできないことはなんだろう?」

弟との会話の中で見えてくるお互いの役割。
そしてお互いに木に携わる兄弟としての役割。
会話の中から発生するビジョンは時間を超え
国を超え点と点を結び、僕らの魂の遍路を照らしだす。

僕らの見たビジョンは
「森が元気になれば川が元気になり海が元気になる。
日本の森を元気にして世界の森を繋ぎ、身近なところから光
を届けていく。
そして平和な世界を創っていく。」

ということだった。

そしてもう一つ見えたのが「屋久島と伊豆を行き来し、弟と共に
森のガイドをする」
だった。

なんて嬉しいヴィジョンだろう!!!

そのビジョンが見えたなら次はそこに向かう為に何が必要で
どの順番でやっていくか?

意識の中で描かれた世界に向かいそれを超える現実を
創っていく。

そこで、かりゆし工房は年に2回「かりゆしツアーズ」として
屋久島ツアーを企画していきます。
弟の誘う森は素晴らしいです。2人で森をガイドします。

それが実現できれば何て幸せなんだろう。
そう思うとウキウキ、ワクワクしてくる。

屋久島の森は僕らに眩しいほどのヴィションを見せてくれた。

コメント / トラックバック2件

  1. 奥津 正敏 より:

    本日3月25日、私も木工が好きなので、偶然立ち寄ったお店でいろいろ楽しいお話ができて嬉しかったです。ブログも全部読み切れていませんが弟さんとの屋久島森林行の文章と写真を楽しみました。facebookもやっています。じっくり読んで又書きます。取り急ぎ御礼まで。・・・私はお屋敷整備の担当で工房の仕事はやっていませんが、私がバイト仕事をしているお屋敷の一角で社長が本業の合間に木工をやっています。facebookで「せや村工房」で見てください。ではまた。

  2. 奥津 正敏 より:

    本日3月25日に立ち寄りました。楽しい時間でした。一回コメントしたのですがうまくいってないようなので再度書きます。弟さんとの屋久島行のお二人の楽しそうな笑顔が印象に残りました。またコメントします。とりあえず御礼まで。

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